vs Family-TENTH TOKYO.

山下泰弘

東京都バスケットボール秋季選手権大会2回戦は、強豪・ファミリーテンス東京との大一番。
この一週間は、山下 新垣 長田 上田 眞弓の3年生のラインナップを中心に練習を組み立て、この試合に備えてきた。
試合会場である武蔵野市総合体育館には全部員が集合。スタッフも、ベース担当の深川助監督・長谷川コーチだけでなく、櫻井監督・濱西助監督が来場し、この“公式戦”に掛ける部の意気込みが伝わってきた。
試合序盤は、山下 新垣 長田 上田 眞弓がその期待に応え、攻めてはドライブで敵陣を切り裂いてゆき、守ってはオールコートディフェンスで相手のロングパスを網にかけてゆく。開始5分で19-9となったスコア以上に、強さを見せ付ける内容であった。
しかしそこから、ゲームが落ち着き、本学の攻めも慎重になってゆくにつれ、ゲームのペースが遅くなってゆく。そのゆったりしたペースの中で、ファミリーテンス東京が社会人チームらしい対応力を見せ、徐々に差を詰められてゆく。1Q終了時で27-21、2Qの5分で35-32とされるが、長田の連続3Pなどで再び突き放し、山下 新垣 長田 上田 眞弓で20分間を闘った前半を49-37で終える。
ハーフタイムをはさんでの後半、開始早々に引き離して試合を決めたいところだったが、ゾーンを敷き、さらに本学のオールコートディフェンスが“プレス”ではないことを見抜いてきたファミリーテンス東京にペースを握られる。さらに本学はレフェリングにも対応できず、このQは早々にチームファウルが5個となったが、一方のファミリーテンス東京はQ通じて0。メンバーの個人ファウルも嵩み、ついに池内、松村、鈴木夏を投入。しかし彼らも流れを引き寄せることが出来ず、3Q残り5分で54-50とされてしまう。その後も、長田のスティールから山下が新垣の3Pをアシストなど、良いプレーも見られたが65-62で相手ボールのラストプレー。そこで3Pを外したシューターが飛び込んで自らリバウンドをフォローしゴールを決めると、それが3点にカウントされ65-65で4Qへ。
4Qも、山下 新垣 長田 上田 眞弓の5人に全てを託しコートへ送り出す。山下の3Pや眞弓のバスケットカウントでの3点プレーなどで一旦は74-70とリードを奪うが、その後はフリースローも含めたシュート率の悪さと、ディフェンスを貫徹しきれない甘さからファミリーテンス東京に逆転を許し、最終的には80-89での敗戦となった。
 
明大 80(27-21,22-16,16-28,15-24)89 ファミリーテンス東京
 
3年生たちは個々のオフェンス能力の高さを見せたものの、フリースローの確率、ディフェンスをやりきる力、ロングリバウンドとルースボールへのコミット、相手とゲーム展開にアジャストできるか、そして、メンタルタフネス。そういった彼らをトップではなくベースに留める原因を突きつけられる敗戦であった。
そしてもう一つ。この敗戦によって、彼らの中に芽生えたチームとしての勝ちたい想いも、その花を咲かす前に冬を迎えてしまった。
しかし、3年生達には、この長い冬の先にもう一度の春が待っている。この敗戦で突きつけられた課題を糧とし、冬の間にどれだけの根を張れるか。来年の春に花を咲かせ、秋に実りの果実を得られるかは、この長い冬に懸っている。