Own Way of Wilderness.

宍戸浩也は、言わずと知れた、宍戸治一の弟である。
そして、外見も、似ている。そっくりである。
そうなれば、イメージを重ねるなという方が無理と言うものであるが、治一には治一の、浩也には浩也の道がある。
浩也に「アピールしたいプレーは?」と聞くと、「パスです」という。
治一がデビューした2001年の京王電鉄杯、観客の度肝を抜いたのは、パススピードと速攻を狙うロングパスの狙い処であった。
しかし、学年が進むにつれ、チーム状況もあり、自らのドリブル突破が多くなっていき、プレーを組み立てる“プレーメーカー”よりも、状況を打開する“ゲームブレイカー”としての側面を強めていった。
それでは、現在はパスをより得意とする浩也はどのような道を進んでいくのであろうか。
それはまだ誰にもわからないし、浩也自身にもわからないことである。
そして“治一の弟”というラベルは、舗装された道を保障してくれるものではなく、むしろ平坦であることを許さないであろう。
そのなかで、浩也がどのような道を自ら拓き、進んでいくのか。
興味と期待が膨らむばかりである。